身体活動学実習 - データ解析システム搭載版
この実習を通じて、以下の内容を理解・習得することを目指します。
定常状態の概念は、20世紀初頭から中盤にかけて、複数の先駆的研究者たちによって確立され、臨床応用されてきました。彼らの研究は、現代の心臓・呼吸・代謝系リハビリテーションや公衆衛生における身体活動処方の基礎となっています。
ノーベル生理学・医学賞受賞(1922年)
主な功績:
臨床への影響: Hillの研究は、運動処方において「有酸素運動」と「無酸素運動」を区別する基礎となり、現代のリハビリテーションプログラムの設計に不可欠な概念を提供しました。
「運動生理学の父」と称される
主な功績:
臨床への影響: Åstrandの研究により、最大運動負荷をかけることなく、定常状態での測定から患者の運動能力を評価できるようになりました。これは高齢者や心疾患患者のリハビリテーションにおいて画期的な進歩でした。
心臓リハビリテーションの先駆者
主な功績:
臨床への影響: Balkeのプロトコルは、心筋梗塞後の患者に対する運動療法の基礎を築き、現代の心臓リハビリテーションプログラムの礎となりました。
運動負荷試験の標準化に貢献
主な功績:
臨床への影響: Bruce Protocolは現在でも世界中の医療機関で使用されており、定常状態の概念を臨床診断に応用した代表的な成功例です。
これらの先駆者たちの研究は、現代の理学療法において以下のような形で活用されています:
皆さんがこれから学ぶ定常状態の概念は、100年以上にわたる研究の積み重ねの上に成り立っているのです!
定常状態(Steady State)とは、一定強度の運動を継続した際に、酸素摂取量、心拍数、換気量、血中乳酸濃度などの生理学的指標が一定のレベルに達し、安定した状態を指します。
以下のような心拍数測定アプリを使用してください:
| 時間 | 心拍数(拍/分) | 時間 | 心拍数(拍/分) |
|---|---|---|---|
| 安静時 | 3分30秒 | ||
| 30秒 | 4分 | ||
| 1分 | 4分30秒 | ||
| 1分30秒 | 5分 | ||
| 2分 | 5分30秒 | ||
| 2分30秒 | 6分(終了) | ||
| 3分 | 回復期 | ||
| 終了30秒後 | |||
| 終了1分後 | |||
| 終了1分30秒後 | |||
| 終了2分後 | |||
| 終了2分30秒後 | |||
| 終了3分後 | |||
ストローを咥えて呼吸することで、換気制限をシミュレートします。これにより、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や喘息などの呼吸器疾患患者が経験する運動時の困難を疑似体験できます。
| 時間 | 心拍数(拍/分) | 時間 | 心拍数(拍/分) |
|---|---|---|---|
| 安静時 | 3分30秒 | ||
| 30秒 | 4分 | ||
| 1分 | 4分30秒 | ||
| 1分30秒 | 5分 | ||
| 2分 | 5分30秒 | ||
| 2分30秒 | 6分(終了) | ||
| 3分 | 回復期 | ||
| 終了30秒後 | |||
| 終了1分後 | |||
| 終了1分30秒後 | |||
| 終了2分後 | |||
| 終了2分30秒後 | |||
| 終了3分後 | |||
酸素負債の発生: A.V. Hillが提唱した概念。急激なエネルギー需要に対し、有酸素代謝の立ち上がりが追いつかず、無酸素性代謝(ATP-PC系、解糖系)が動員される。心拍数は急上昇。
有酸素系の活性化: 心拍出量の増加、換気量の増加により、筋への酸素供給が増加。徐々に有酸素代謝が主体となる。ミトコンドリアでの酸化的リン酸化が活性化。
需要と供給の均衡: エネルギー需要と有酸素代謝による供給が釣り合い、心拍数などの生理学的指標が安定。乳酸の生成と除去も均衡。
酸素負債の返済: 運動中に蓄積した代謝産物(乳酸など)の処理、クレアチンリン酸の再合成、体温の正常化などのために、安静時より高い酸素消費が続く。心拍数も徐々に低下。
酸素負債は、A.V. Hillが1920年代に提唱した概念で、運動開始時に有酸素代謝が需要に追いつかない際に発生する「酸素の借金」を指します。
現代的理解(EPOC): 現在では「運動後過剰酸素消費(Excess Post-exercise Oxygen Consumption: EPOC)」という用語が使われ、以下のプロセスを含みます:
臨床的意義: 回復時間が長いほど、酸素負債が大きかった(=無酸素性代謝への依存が大きかった)ことを示します。
病態: 心拍出量が運動需要に追いつかず、継続的に心拍数が上昇し続ける、あるいは不規則に変動する。
臨床所見: 軽度の運動でも過度な心拍数上昇、回復の遅延(酸素負債の増大)、浮腫、呼吸困難
病態: 換気能力の低下により、十分な酸素供給ができず、運動中の酸素化が不安定。ストロー呼吸の実験で体験した状態に近い!
臨床所見: SpO₂の低下、呼吸困難、運動耐容能の著しい低下、定常状態到達の遅延または不達成
病態: 酸素運搬能力の低下により、代償的に心拍数が高値を維持するが、十分な酸素供給ができない。
臨床所見: 易疲労性、動悸、頻脈、回復時間の延長
病態: 長期臥床や不活動により、心血管系の調節機能が低下し、運動に対する適応が遅延。
臨床所見: 定常状態到達時間の延長、運動後の過度な疲労、回復時間の延長
応用方法:
応用方法:
応用方法:
ストロー実験から学べること:
以下の項目について、A4用紙3枚程度でまとめてください。