理学療法学生のための研究方法論:全7回
既存の知識を応用し、確実に一歩前進させる
新しい視点で既存の知見を大きく発展させる
独創的な発見で新しい知の地平を開く
研究の段階と目的、研究の流れ
臨床実習や日常生活で、「なぜだろう?」「不思議だな」と思ったことはありますか?その疑問こそが研究の種です!
例:なぜ高齢者は転びやすいのか? なぜリハビリで良くなる人とならない人がいるのか?
臨床での疑問、文献のギャップ、患者の困りごとから問いを立てる
研究の目的、方法、対象、評価項目を具体的に設計する
計画に沿ってデータを集め、適切な統計手法で分析する
結果の意味を解釈し、先行研究と比較して新しい知見を導く
研究の全過程を論理的に文章化し、他者に伝える
口頭やポスターで研究内容を分かりやすく伝え、議論する
Q1. 学部の卒業研究で目指すべき研究レベルはどれ?
Q2. 研究の流れで、最初に行うべきことは?
あなたが興味のある理学療法のテーマを1つ挙げ、それについて「知りたいこと」を具体的に書いてみましょう。
ヒント:「誰の」「何を」「どうやって」明確にすると良い研究テーマになります
一般的研究・医療系研究・理学療法研究
同じ「歩く」という現象でも、物理学者、医師、理学療法士では見方が違います。それぞれどんな視点で見ると思いますか?
物理学者:力学的エネルギー効率
医師:関節の病理学的変化
理学療法士:日常生活での機能的な歩行能力
医療系研究、特に理学療法の臨床研究では、研究疑問を明確にするためにPECOというフレームワークを使います。これは構造化抄録を書く際にも重要な枠組みです。
誰を対象とするのか?どんな特徴を持つ集団か?
例:65歳以上の地域在住高齢者、脳卒中後6ヶ月以内の患者
何を行うのか?どんな介入や曝露を評価するのか?
例:週3回のバランス訓練、1日30分の歩行練習
何と比較するのか?対照群は何か?
例:通常ケア、別の運動プログラム、介入なし
何を測定するのか?どんな結果を期待するのか?
例:転倒発生率、バランス能力、歩行速度、QOL
論文の抄録(アブストラクト)を書く時、PECOの枠組みを使うと内容が明確になります。「Pの対象者に対して、Eの介入を行い、Cと比較した結果、Oがどう変化したか」という構造で研究を説明できます。
研究疑問:「高齢者の転倒予防にバランス訓練は効果的か?」
Q1. 理学療法研究が最も重視することは?
Q2. PECOのCは何を表す?
「高齢者の転倒予防にバランス訓練は効果があるか?」という研究疑問をPECOで整理してみましょう。
P: 誰を対象に? E: 何を行うか? C: 何と比較? O: 何を測定?
今、自分の姿勢を観察してみましょう。背中は丸まっていますか?足はどこに置いていますか?この「気づき」が動作研究の第一歩です!
姿勢を意識すると、普段無意識に行っている動作が見えてきます
研究方法:
研究課題例:
研究方法:
研究課題例:
研究方法:
研究課題例:
Q1. 三次元動作解析で測定できるのは?
Q2. ADL評価は何を解明する研究?
「椅子から立ち上がる」動作を観察し、どのような要素を測定すれば科学的に分析できるか考えてみましょう。
時間、角度、力、筋活動、バランスなど様々な要素があります
友達に手を叩いてもらい、それに反応して手を挙げるまでの時間を測ってみましょう。これが反応時間の測定です!
通常、視覚刺激への反応時間は約0.2〜0.3秒です
技術:刺激提示から動作開始までの時間を測定
応用:神経系の機能評価、転倒リスク評価
測定ツール:
技術:数値データとして動作を記録・分析
応用:治療効果の客観的評価、経時的変化の追跡
測定ツール:
技術:動作の質や特徴を記述的に評価
応用:動作パターンの分類、異常動作の特定
測定ツール:
Q1. 定量化と定性化の違いは?
Q2. 反応時間の測定が特に重要な評価は?
「歩行」を評価する時、定量化できる項目と定性化で評価する項目をそれぞれ挙げてみましょう。
速度や歩幅は数値化できますが、歩き方の「滑らかさ」は質的な表現が必要です
右手を使わずに、左手だけで服のボタンを留めてみましょう。体はどんな工夫(代償)をしますか?これが障害のある人の動作研究です。
体を傾けたり、別の指を使ったり、無意識に代償動作をしているはずです
障害による動作の変化を数値として捉える
研究方法:
脳卒中患者の麻痺側下肢の振り出し角度減少を定量化
なぜ障害が進行するのか、そのメカニズムを明らかにする
研究方法:
不良姿勢が腰痛を引き起こす生体力学的メカニズムの解明
Q1. 動作障害の定量化で重要なのは?
Q2. 二次的障害とは?
脳卒中で右半身に麻痺がある人が、なぜ腰痛を起こしやすいのか、そのメカニズムを考えてみましょう。
麻痺側をかばう動作、姿勢の変化、筋の過剰使用などを考えてみましょう
今、その場で30秒間スクワットをしてみましょう。終わった後の体の変化に気づきましたか?この「変化」を科学的に証明するのが効果研究です。
心拍数の増加、筋肉の疲労感、体温の上昇など、様々な変化が起きています
目的:既存の運動療法の効果を科学的に証明
研究デザイン:ランダム化比較試験(RCT)、前後比較研究
重要なポイント:
目的:新しい介入方法やプログラムの創出
研究デザイン:パイロット研究、段階的開発研究
重要なポイント:
Q1. RCT(ランダム化比較試験)で最も重要なのは?
Q2. 新しい運動療法を開発する時、最初に確認すべきことは?
「バランス訓練が高齢者の転倒予防に効果がある」という仮説を検証するRCTを計画してください。対象者、介入群、対照群、評価項目を考えましょう。
対照群には通常ケアや別の介入を設定し、公平性を保ちます
地域・公衆衛生・新領域
スマホの歩数計を見てみましょう。今日何歩歩きましたか?推奨される1日の歩数は約8,000〜10,000歩。あなたの地域や職場の人々の平均はどれくらいでしょう?
これが集団・地域を対象とした研究の始まりです
個人ではなく地域全体の健康を対象とした研究
研究アプローチ:地域診断、地域介入、効果の地域全体での評価
研究例:
集団を対象とした疾病予防と健康増進の研究
研究アプローチ:疫学的手法、政策評価、集団への介入研究
研究例:
従来の枠を超えた新しい研究分野
研究アプローチ:学際的研究、技術開発研究、実装科学
研究例:
Q1. 地域理学療法研究の対象は?
Q2. 理学療法の新領域として期待されているのは?
あなたの住んでいる地域や大学周辺で、どのような健康課題がありますか?それに対して理学療法士としてどんな研究ができるか考えてみましょう。
高齢化、運動不足、通いの場の不足、公園などの運動環境、など地域特有の課題があります
理学療法研究は、個々の患者への治療から、地域社会全体の健康づくり、そして最先端技術を活用した新しい介入方法の開発へと広がっています。あなたの研究が、未来の健康社会を創る一歩になります。
一般的研究・医療系研究・理学療法研究
同じ「歩く」という現象でも、物理学者、医師、理学療法士では見方が違います。それぞれどんな視点で見ると思いますか?
物理学者:力学的エネルギー効率
医師:関節の病理学的変化
理学療法士:日常生活での機能的な歩行能力
医療系研究、特に理学療法の臨床研究では、研究疑問を明確にするためにPECOというフレームワークを使います。これは構造化抄録を書く際にも重要な枠組みです。
誰を対象とするのか?どんな特徴を持つ集団か?
例:65歳以上の地域在住高齢者、脳卒中後6ヶ月以内の患者
何を行うのか?どんな介入や曝露を評価するのか?
例:週3回のバランス訓練、1日30分の歩行練習
何と比較するのか?対照群は何か?
例:通常ケア、別の運動プログラム、介入なし
何を測定するのか?どんな結果を期待するのか?
例:転倒発生率、バランス能力、歩行速度、QOL
論文の抄録(アブストラクト)を書く時、PECOの枠組みを使うと内容が明確になります。「Pの対象者に対して、Eの介入を行い、Cと比較した結果、Oがどう変化したか」という構造で研究を説明できます。
研究疑問:「高齢者の転倒予防にバランス訓練は効果的か?」
Q1. 理学療法研究が最も重視することは?
Q2. PECOのCは何を表す?
「高齢者の転倒予防にバランス訓練は効果があるか?」という研究疑問をPECOで整理してみましょう。
P: 誰を対象に? E: 何を行うか? C: 何と比較? O: 何を測定?