1部    人間らしさを追い求める学問としての身体活動学

人間らしさを考察した著名な学者と身体活動学との結びつきについて、以下の3名を挙げます。

1. モーリス・メルロ=ポンティ(Maurice Merleau-Ponty)

フランスの現象学者で、「身体性」の哲学を展開しました。彼は人間の身体を単なる物理的対象ではなく、世界を知覚し経験する主体として捉えました。身体活動学との関連では、運動やスポーツは単なる筋肉の動きではなく、意識と身体が一体となった「生きられた経験」であるという視点を提供します。スキルの習得や運動感覚は、身体的知性の表れとして理解できます。

2. アーノルド・ゲーレン(Arnold Gehlen)

ドイツの哲学人類学者で、人間を「欠陥存在(Mängelwesen)」として定義しました。人間は本能が不完全であるため、文化や技術を創造することで生存してきたと論じました。身体活動学の観点からは、人間は身体的に特化していない分、多様な運動技能を学習し、道具やスポーツを発展させる能力を持つという特徴が浮かび上がります。身体活動は人間が環境に適応するための重要な文化的営みです。

3. ヨハン・ホイジンガ(Johan Huizinga)

オランダの歴史家で、著書『ホモ・ルーデンス(遊ぶ人間)』で人間を「遊び」によって定義しました。遊びは文化の基盤であり、規則性、競争、楽しみを含む活動です。身体活動学との関連では、スポーツやダンス、武道などの身体活動は、人間の遊び本能の表現であり、社会性や創造性を育む重要な営みとして位置づけられます。

これらの学者の思想は、身体活動が単なる生物学的機能を超えて、人間の本質や文化の形成に深く関わっていることを示しています。

 

さらに2名の学者を加えます。

4. ヘルムート・プレスナー(Helmuth Plessner)

ドイツの哲学人類学者で、人間の「脱中心的位置性」という概念を提唱しました。人間は自分の身体を持つと同時に、自分の身体「である」という二重性を持つ存在です。つまり、人間は自分の身体を客観的に観察し、意識的にコントロールできる特殊な存在です。身体活動学との関連では、アスリートが自分の動きを分析し改善する能力、ダンサーが身体を表現の道具として使う能力は、まさにこの「身体を持つ」と「身体である」という人間特有の二重性の表れと言えます。運動技能の習得過程は、この身体との独特な関係性を通じて理解できます。

5. マルセル・モース(Marcel Mauss)

フランスの社会学者・人類学者で、「身体技法(techniques du corps)」の概念を提唱しました。歩き方、泳ぎ方、座り方など、身体の使い方は生物学的に決定されるのではなく、文化によって学習され伝承されると論じました。身体活動学の観点からは、スポーツや運動の技術、民族舞踊、武道などは、それぞれの社会や文化が育んできた身体技法の体系として理解できます。身体活動を通じて、人間は文化的アイデンティティを形成し、世代を超えて伝統を継承していくのです。トレーニング方法の違いも、文化的・社会的背景の影響を受けた身体技法の多様性を示しています。

 

身体活動と病気の関わりを研究してきた著名な研究者を3名挙げます。

1. ジェレミー・モリス(Jeremy Morris)

イギリスの疫学者で、「運動疫学の父」と呼ばれています。1950年代にロンドンのバス運転手と車掌を比較した画期的な研究を行い、身体活動量が多い車掌の方が心臓病のリスクが低いことを示しました。この研究は、身体活動が心血管疾患の予防に重要であることを科学的に示した最初期の疫学研究の一つとして、公衆衛生学に大きな影響を与えました。

2. ラルフ・パッフェンバーガー(Ralph Paffenbarger)

アメリカの疫学者で、ハーバード大学卒業生やサンフランシスコの港湾労働者を対象とした長期追跡研究を行いました。身体活動量と総死亡率、心疾患、脳卒中などとの関係を詳細に解析し、定期的な運動が寿命延長や疾病予防に寄与することを実証しました。彼の研究は運動処方や健康政策の科学的基盤となっています。

3. スティーブン・ブレア(Steven Blair)

アメリカの運動生理学者・疫学者で、エアロビクスセンター縦断研究(Aerobics Center Longitudinal Study)を率いました。心肺体力(cardiovascular fitness)と死亡率の関係を明らかにし、肥満よりも体力の低さが健康リスクとして重要であることを示しました。彼の研究は「太っていても健康(fit but fat)」という概念の科学的根拠を提供し、身体活動の重要性を強調する上で大きな貢献をしました。

これらの研究者たちの業績により、身体活動が生活習慣病の予防や健康寿命の延伸に不可欠であることが科学的に確立されました。

.さらに2名の研究者を加えます。

4. フランク・ブース(Frank Booth)

アメリカの生理学者で、「身体不活動生理学(inactivity physiology)」という新しい研究分野を開拓しました。身体活動の効果だけでなく、座りがちな生活(sedentary behavior)そのものが独立した健康リスク要因であることを分子生物学的・遺伝学的レベルから解明しました。彼の研究は、身体不活動が糖尿病、肥満、心血管疾患などの慢性疾患の発症メカニズムに深く関わることを示し、現代の座位行動研究の基礎を築きました。

5. ウーテ・エケロート(Ute Ekelund)とノルウェー運動科学学派

ノルウェーやスウェーデンを中心とした北欧の研究者たちは、客観的な身体活動測定(加速度計)を用いた大規模疫学研究を推進してきました。エケロートは特に、座位時間と死亡率の関係、そして身体活動がその悪影響を相殺できるかという問題について、国際的な大規模メタ解析を主導しました。彼女の研究は、1日どの程度の身体活動が必要かという具体的なガイドライン作成に貢献し、WHOの身体活動推奨基準の科学的根拠となっています。

これらの研究者たちは、身体活動と疾病の関係をより精緻に、かつ実践的なレベルで解明し、現代の予防医学や公衆衛生政策に大きな影響を与えています。

 

身体活動の産業化を図った著名な企業を3社挙げます。

1. ナイキ(Nike)

1964年創業のアメリカのスポーツ用品企業。単なるシューズメーカーから、スポーツとライフスタイルを結びつけたグローバルブランドへと発展しました。ランニングブームを牽引し、エアクッション技術などの革新的な製品開発により、身体活動を大衆化・ファッション化しました。近年はNike Training ClubNike Run Clubなどのデジタルアプリを通じて、身体活動のデジタル化も推進しています。

2. ペロトン(Peloton)

2012年創業のアメリカのフィットネステクノロジー企業。高級室内バイクとライブストリーミング・オンデマンドのフィットネスクラスを組み合わせ、自宅でのエクササイズを革新しました。コミュニティ機能やゲーミフィケーション要素を取り入れ、身体活動の「在宅産業化」を実現。COVID-19パンデミック期には特に注目を集め、フィットネスのサブスクリプションモデルを確立しました。

3. フィットビット(Fitbit、現Google�傘下)

2007年創業のアメリカのウェアラブルデバイス企業。活動量計(フィットネストラッカー)を大衆化し、日常的な歩数、心拍数、睡眠などを「見える化」することで、身体活動の定量化・データ化を推進しました。個人の健康データを継続的にモニタリングする文化を創出し、Apple WatchGarminなどの競合とともに、ウェアラブルヘルステック市場を形成しました。健康保険会社との提携など、予防医療分野への展開も図っています。

これらの企業は、身体活動を製品化・サービス化・データ化することで、新たな産業セクターを創出し、人々の運動習慣や健康意識に大きな影響を与えてきました。

 

さらに2社の企業を加えます。

4. レスミルズ(Les Mills International)

1968年にニュージーランドで創業されたグループフィットネスプログラムの開発・ライセンス企業。BODYPUMPBODYCOMBATRPMなどの標準化されたフィットネスプログラムを世界中のジムに提供し、グループエクササイズの「フランチャイズ化」を実現しました。音楽と振付を統一したプログラムを定期的に更新し、インストラクター養成システムを確立することで、身体活動の「コンテンツ産業化」を推進。現在は100カ国以上、20,000以上の施設で展開され、デジタル配信サービス「Les Mills+」も提供しています。

5. ゴールドジム(Gold's Gym)

1965年にアメリカ・カリフォルニア州で創業されたフィットネスクラブチェーン。ボディビルディングの聖地として始まり、映画『パンピング・アイアン』でアーノルド・シュワルツェネッガーらが登場したことで世界的に有名になりました。筋力トレーニングを専門的なアスリートだけでなく一般大衆にも広め、「ジムに通う」という行動を文化として定着させました。フランチャイズ展開により世界中にフィットネスクラブビジネスモデルを普及させ、身体活動の「施設産業化」における先駆者となりました。

これらの企業は、身体活動をプログラム化・システム化・ブランド化することで、フィットネス産業のグローバル展開と標準化に貢献してきました。

 

 ウェアラブルテクノロジーと身体活動を結びつけた企業を3社挙げます。

1. アップル(Apple)

Apple Watch2015年に発売し、スマートウォッチ市場を確立しました。心拍数モニター、GPS、加速度計などを搭載し、日常的な活動量追跡だけでなく、心電図機能や転倒検知など医療グレードの健康モニタリング機能も実装。「アクティビティリング」による視覚的なモチベーション管理や、Apple Fitness+との連携により、ウェアラブルデバイスを単なる測定器から、身体活動を促進するエコシステムの中核へと進化させました。

2. ガーミン(Garmin)

もともとGPS技術の企業として1989年に創業し、2000年代からスポーツ・フィットネス向けウェアラブルデバイスに参入しました。ランニング、サイクリング、水泳、トライアスロンなど、競技特化型の高機能デバイスを展開。VO2max推定、トレーニング負荷分析、リカバリータイム予測など、アスリート向けの詳細なパフォーマンス指標を提供し、シリアスなスポーツ愛好家や競技者の身体活動データ分析を高度化しました。

3. ポラール(Polar)

1977年にフィンランドで創業された、世界初のワイヤレス心拍計を開発した企業。スポーツサイエンスに基づいたトレーニング指導機能を重視し、心拍数ゾーントレーニングの概念を一般化しました。睡眠追跡、回復状態分析、トレーニング効果の可視化など、科学的根拠に基づいた身体活動管理ツールを提供。特に持久系スポーツのアスリートやコーチに支持され、ウェアラブルテクノロジーを「測定」から「トレーニング最適化」のツールへと進化させました。

これらの企業は、センサー技術とデータ分析を組み合わせることで、身体活動を可視化・定量化し、個人に最適化されたフィードバックを提供することで、運動の質と継続性を向上させる新しい価値を創出しました。

さらに2社の企業を加えます。

4. ワープ(Whoop)

2012年にアメリカで創業されたウェアラブルテクノロジー企業。24時間装着型のストラップ型デバイスで、心拍変動(HRV)、睡眠の質、回復度、身体的ストレインを継続的にモニタリングします。画面を持たず、データ分析とコーチング機能に特化したサブスクリプションモデルを採用。プロアスリートやエリートスポーツチームに広く採用され、「リカバリー重視」の新しいトレーニング哲学を提唱しました。過度なトレーニングを防ぎ、最適なパフォーマンスを引き出すための科学的アプローチを一般化しています。

5. オーラ(Oura)

2013年にフィンランドで創業されたスマートリング開発企業。指輪型という独自のフォームファクターで、睡眠追跡、体温変動、心拍変動、活動量測定を行います。特に睡眠の質と回復に焦点を当て、「レディネススコア」により、その日の身体活動への準備状態を数値化します。コンパクトで目立たないデザインにより、日常生活における継続的な装着を実現。NBA選手やシリコンバレーの経営者など、パフォーマンス最適化を重視する層に支持され、ウェアラブルの形状革新と睡眠科学の大衆化に貢献しました。

これらの企業は、従来のフィットネストラッカーとは異なるアプローチで、リカバリー、睡眠、身体の準備状態という「休息と回復」の側面からも身体活動を最適化する新し

 

 

身体活動を重視している一般企業(フィットネス・スポーツ産業以外)3社挙げます。

1. グーグル(Google)

シリコンバレーのテクノロジー企業として、社員の健康と生産性を重視する企業文化を確立しました。本社キャンパスには複数のフィットネスセンター、プール、バスケットボールコート、ビーチバレーコートなどを完備し、社員が就業時間中に運動できる環境を整備。自転車通勤の奨励、ウォーキングミーティングの推進、スタンディングデスクの導入など、日常業務に身体活動を統合する取り組みを実施しています。健康な社員がイノベーションを生むという哲学のもと、身体活動を企業戦略の一部としています。

2. パタゴニア(Patagonia)

アウトドアウェア企業でありながら、社員の身体活動とワークライフバランスを企業理念の中核に据えています。「波が良い時はサーフィンに行こう」という柔軟な就業方針を持ち、社内に保育施設やヨガスタジオを完備。昼休みのランニングやクライミングを奨励し、製品テストのための登山やサーフィンを業務の一環として認めています。環境保護活動と身体活動を結びつけ、持続可能なライフスタイルの実践を企業価値として体現しています。

3. ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)

製薬・医療機器大手として、1970年代から社員の健康増進プログラム「Live for Life」を開始し、企業内ウェルネスプログラムの先駆者となりました。世界中の事業所にフィットネス施設を設置し、健康診断、運動プログラム、栄養指導を統合的に提供。身体活動を含む包括的な健康投資が、医療費削減と生産性向上につながることを実証し、ROI(投資対効果)を公表することで、他企業の健康経営モデルとなりました。ヘルスケア企業として「自社社員の健康」を製品・サービスの信頼性と結びつけています。

これらの企業は、社員の身体活動を福利厚生や企業文化の中心に位置づけ、健康経営や生産性向上、企業価値の向上と結びつけることで、ビジネスモデルの一部として統合しています。

 日本の企業を2社加えます。

4. トヨタ自動車

世界的な自動車メーカーとして、「健康第一」を経営方針の一つに掲げています。本社や主要事業所に社内フィットネスセンターや体育館を設置し、ラジオ体操の習慣を継続。「トヨタ健康保険組合」と連携した歩数キャンペーンやウォーキングイベントを実施し、社員の日常的な身体活動を促進しています。また、長時間労働削減と健康管理を両立させる「健康経営」を推進し、経済産業省の「健康経営優良法人」にも認定されています。製造現場では作業前の体操や職場での軽運動を取り入れ、労働安全と生産性向上を身体活動と結びつけています。

5. タニタ

体重計・健康機器メーカーとして、「社員食堂から生まれたタニタ食堂」で有名になりましたが、食事だけでなく身体活動も重視しています。全社員に活動量計を配布し、日々の歩数や消費カロリーを測定・管理する文化を確立。社内運動会や部活動の奨励、階段利用の推進など、自社製品を活用した健康づくりを実践しています。「タニタ健康プログラム」として、測定と運動を組み合わせた健康管理手法を他企業にも提供し、日本における健康経営のモデルケースとなっています。「測る」ことから始まる健康づくりを、自社の企業文化として体現している点が特徴的です。

これらの日本企業は、日本的な企業文化(ラジオ体操、社内運動会など)と現代的な健康経営を融合させ、身体活動を組織の活力と生産性向上に結びつけています。

 

 

では関節可動域と身体活動制限につき
足趾足膝股関節 椎間関節 肋間関節 肩肘手手指 
それぞれの制限がどのくらいになるとADLができなくなるのか 
一覧表で示します。

 

関節可動域制限とADL障害の関係を示す一覧表

ただし、研究によってデータにばらつきがあり、すべての関節について明確な閾値が確立されているわけではない

関節可動域制限とADL障害の関係一覧表

 

関節可動域制限とADL障害の関係一覧表

下肢関節

関節

運動方向

正常ROM

ADL必要ROM

制限による主なADL障害

股関節

屈曲

120°

101°-120°

靴下着用、爪切り、しゃがむ動作困難

伸展

30°

10°-20°

歩行、階段昇降の支障

外転

45°

17°-20°

着衣動作、トイレ動作困難

内転

25°

15°-17°

交差動作、座位での困難

外旋

45°

25°-30°

着衣、爪切り困難

内旋

45°

15°-20°

和式トイレ、しゃがみ動作困難

膝関節

屈曲

135°-150°

100°-149°

しゃがむ、正座、階段、入浴困難

伸展

0°(完全伸展)

歩行、立位保持困難

足関節

背屈

20°

10°-26°

歩行、階段昇降、しゃがむ動作困難

底屈

50°

20°-30°

歩行推進力低下、バランス困難

足趾

MTP屈曲

90°

60°-70°

歩行推進困難

MTP伸展

70°-90°

30°-45°

しゃがむ動作、靴着用困難

体幹・脊椎

関節

運動方向

正常ROM

ADL必要ROM

制限による主なADL障害

頸椎

屈曲

50°-60°

13°-32°

食事、読書、足元確認困難

伸展

60°-75°

13°-32°

車のバック運転、高所確認困難

側屈

45°

9°-20°

着衣、整髪困難

回旋

70°-80°

20°-50°

車のバック運転、周囲確認困難

胸椎

屈曲・伸展

32°

15°-25°

身体前傾動作、呼吸制限

腰椎

屈曲

60°-70°

3°-49°

靴着用、床からの拾い上げ困難

伸展

25°-40°

5°-20°

反る動作、高所作業困難

側屈

25°-40°

2°-11°

着衣、物の取得困難

回旋

30°-45°

5°-15°

振り返り動作困難

上肢関節

関節

運動方向

正常ROM

ADL必要ROM

制限による主なADL障害

肩関節

屈曲

180°

118°-130°

洗髪、高所への到達困難

伸展

50°-60°

50°-68°

背部洗い、後ポケット困難

外転

180°

112°-130°

洗髪、着衣困難

水平内転

135°

90°-110°

対側肩への到達困難

内旋

70°-90°

60°-90°

背部洗い、トイレ動作困難

外旋

90°

45°-60°

洗髪、頭部後方への到達困難

肘関節

屈曲

145°-150°

120°-150°

食事、整髪、洗顔困難

伸展

0°-(-10°)

物の配置、押す動作困難

手関節

背屈

70°

30°-35°

体重支持、調理動作困難

掌屈

80°

5°-15°

書字、物の保持困難

橈屈

20°

10°

微細動作困難

尺屈

30°-45°

15°

ドアノブ操作困難

手指

MP屈曲

90°

60°-75°

握る動作困難

IP屈曲

PIP 100°, DIP 80°

70°/60°

つまむ、握る困難

母指対立

8-9cm

6cm以上

つまむ動作困難

注意事項

  1. 個人差: 上記の値には個人差があり、年齢、性別、体格によって異なります
  2. 代償動作: 実際には他の関節で代償することでADLを遂行できる場合があります
  3. 複合動作: 多くのADLは複数の関節の協調運動が必要です
  4. 閾値の不明確さ: すべての関節について明確な「ADL不能」の閾値が確立されているわけではありません

研究の限界

 

主要参考文献

上肢関節

1.     Oosterwijk AM, Nieuwenhuis MK, van der Schans CP, Mouton LJ. (2018). Shoulder and elbow range of motion for the performance of activities of daily living: A systematic review. Physiotherapy Theory and Practice, 34(7), 505-528.

2.     Gates DH, Walters LS, Cowley J, Wilken JM, Resnik L. (2016). Range of Motion Requirements for Upper-Limb Activities of Daily Living. American Journal of Occupational Therapy, 70, 7001350010.

3.     Hume MC, Gellman H, McKellop H, Brumfield RH. (1990). Functional range of motion of the joints of the hand. Journal of Hand Surgery, 15A, 240-243.

4.     Nelson DL, Mitchell MA, Groszewski PG. (1994). Wrist Range of Motion in Activities of Daily Living. In: Advances in the Biomechanics of the Hand and Wrist. NATO ASI Series, vol 256.

下肢関節

5.     Hemmerich A, Brown H, Smith S, Marthandam SS, Wyss UP. (2006). Hip, knee, and ankle kinematics of high range of motion activities of daily living. Journal of Orthopaedic Research, 24(4), 770-781.

6.     Nagai K, Yamada M, Uemura K, et al. (2017). Hip, knee, and ankle kinematics during activities of daily living: a cross-sectional study. Brazilian Journal of Physical Therapy, 21(3), 159-166.

7.     Lima YL, Ferreira V, de Paula Lima PO, et al. (2018). The association of ankle dorsiflexion and dynamic knee valgus: A systematic review and meta-analysis. Physical Therapy in Sport, 29, 61-69.

脊椎関節

8.     Bible JE, Biswas D, Miller CP, Whang PG, Grauer JN. (2010). Normal functional range of motion of the cervical spine during 15 activities of daily living. Journal of Spinal Disorders & Techniques, 23(1), 15-21.

9.     Bible JE, Biswas D, Miller CP, Whang PG, Grauer JN. (2010). Normal functional range of motion of the lumbar spine during 15 activities of daily living. Journal of Spinal Disorders & Techniques, 23(2), 106-112.

10.  Fujimori T, Iwasaki M, Nagamoto Y, et al. (2014). Range of motion of thoracic spine in sagittal plane. European Spine Journal, 23(3), 673-678.

総合的研究

11.  Apti A, Çolak TU, Akçay B. (2023). Normative values for cervical and lumbar range of motion in healthy young adults. Journal of Turkish Spinal Surgery, 34(3), 113-122.

12.  Clapis PA, Davis SM, Davis RO. (2008). Reliability of inclinometer and goniometric measurements of hip extension flexibility using the modified Thomas test. Physiotherapy Theory and Practice, 24(2), 135-141.

これらの研究から得られた情報を統合して一覧表を作成しましたが、個々の患者の評価では、これらの数値を参考にしつつも、個別の機能的ニーズや代償動作の評価が重要です。

  

それぞれの関節の動きにかかわる筋力の低下により制限のかかるADLの一覧表

筋力低下とADL制限の関係一覧表

筋力低下とADL制限の関係一覧表

下肢筋力

筋群

測定方法

ADL自立閾値

閾値以下での主なADL障害

機能的影響

股関節屈筋群

等尺性最大筋力/体重

2.3 N/kg

階段昇降困難、椅子からの立ち上がり困難

歩行速度低下、転倒リスク増加

股関節伸筋群

等尺性最大筋力/体重

1.7 N/kg

立ち上がり動作困難、歩行障害、姿勢保持困難

ADL自立に最重要、移動能力に直接影響

膝関節屈筋群

等尺性最大筋力/体重

0.7 N/kg

バランス保持困難、方向転換困難

地域内歩行能力に重要

膝関節伸筋群

等尺性最大筋力/体重

2.8 N/kg

立ち上がり困難、階段昇降困難、しゃがむ動作困難

椅子からの起立に必須、機能的移動の基本

75% PPMF

コミュニティ歩行可能

地域での外出、買い物などが困難

屋外歩行の独立性

100-110° flexion

歩行・階段・起立

基本的移動動作すべてに支障

自立歩行の最低条件

足関節背屈筋群

等尺性最大筋力/体重

2.8 N/kg

つまずき易い、階段降段困難、歩行速度低下

転倒予防、歩行の安定性

10-15° ROM

正常歩行

クリアランス不足、つま先が引っかかる

歩行時の足のクリアランス確保

総下肢筋量(TLM)

DXA測定

SPPB score >7維持

重度の移動制限、ADL全般の困難

全体的な身体機能の指標

下肢筋力の統合的影響

上肢筋力

筋群

測定方法

ADL障害閾値

閾値以下での主なADL障害

機能的影響

握力

Jamar dynamometer

男性 <27.5 kg

物を持つ、瓶の蓋を開ける、ドアノブ操作困難

自己管理ADL全般に影響

女性 <18.0 kg

食事動作、整容動作、着衣困難

サルコペニア診断基準

握力比率

<0.8 (患側/健側)

日常の把持動作、書字、調理動作困難

DASHスコアと高相関

最大握力の50%

機能的把持可能

繰り返し動作、持続的把持困難

日常動作の実用レベル

肩関節屈筋群

MMT

Grade 3以下

洗髪、高所への到達、衣服の着脱困難

頭上動作全般の制限

肩関節外転筋群

MMT

Grade 3以下

横方向への到達、洗体動作困難

側方・頭上動作の制限

肩関節内外旋筋群

MMT

Grade 3以下

背部への到達、トイレ動作、着衣困難

ペリネアルケア、背部洗浄困難

肘関節屈筋群

MMT

Grade 3以下

食事、整容、洗顔動作困難

手を口・顔に持っていく動作困難

肘関節伸筋群

MMT

Grade 3以下

押す動作、車椅子駆動、杖使用困難

支持・推進動作の障害

手関節伸筋群

MMT

Grade 3以下

物の保持困難、手掌支持不可

握力発揮の前提条件

手指屈筋群

MMT

Grade 3以下

つまむ、握る、書字困難

巧緻動作全般の障害

上肢筋力の特徴

体幹筋力

筋群

測定方法

ADL障害閾値

閾値以下での主なADL障害

機能的影響

腹筋群

等尺性筋力

個別設定必要

体幹前屈困難、起き上がり困難、バランス障害

姿勢保持、転倒リスク増加

(腹横筋・内外腹斜筋)

超音波筋厚測定

収縮時厚増加率

慢性腰痛、姿勢制御困難

コアスタビリティ低下

<20%増加

持続的座位・立位保持困難

脊椎安定性低下

腰背筋群

等尺性伸展筋力

個別設定必要

直立姿勢保持困難、長時間立位不可

抗重力活動の制限

(脊柱起立筋)

持久力テスト

<60秒保持

日常動作での早期疲労、腰痛

機能的活動の耐久性低下

体幹総筋量

CT T12レベルSMA

SMI

ADL全般の困難、バーセル指数≤60

全身機能障害の指標

体幹安定性

Trunk Stability Test

基準未達

動的バランス困難、スポーツ動作制限

四肢運動の基盤低下

体幹筋力の統合的役割

頸部・頭部制御筋力

筋群

測定方法

ADL障害閾値

閾値以下での主なADL障害

機能的影響

頸部屈筋群

MMT

Grade 3以下

仰臥位からの起き上がり困難、食事時の頭部保持困難

視線制御、嚥下への影響

頸部伸筋群

MMT

Grade 3以下

頭部保持困難、前方視困難

姿勢保持、視野確保困難

頸部回旋筋群

MMT

Grade 3以下

振り返り動作困難、車の運転困難

周囲確認動作の制限

筋力とADL障害の一般原則

1. 閾値理論

2. 筋力低下の影響パターン

低下程度

影響

正常の90-100%

ADL制限なし、予備能力あり

正常の75-90%

高難度ADLで困難、代償動作可能

正常の50-75%

基本的ADLで部分介助必要

正常の50%以下

ADL自立困難、全介助または大部分介助

3. 年齢による筋力閾値の変化

4. 筋力測定の標準化

重要な研究知見

ADL自立のための重要筋群の優先順位

  1. 最重要: 股関節伸筋群(立ち上がり、歩行の基本)
  2. 2重要: 膝関節伸筋群(椅子からの起立、階段)
  3. 3重要: 握力(上肢ADL全般)
  4. 基盤: 体幹筋群(すべての動作の安定性)

予測的価値

臨床応用上の注意点

  1. 個別性: 同じ筋力でも身体組成、年齢、併存疾患で影響異なる
  2. 複合性: 単一筋群でなく複数筋群の総合評価が重要
  3. 持久力: 最大筋力だけでなく筋持久力も考慮
  4. 神経筋協調性: 筋力があっても協調性がないと機能的でない
  5. 代償動作: 短期的には可能でも長期的には二次障害のリスク

測定時の推奨肢位

握力測定(ASHT protocol)

下肢筋力測定

主要参考文献

下肢筋力とADL

1.     Hasegawa R, Islam MM, Lee SC, Koizumi D, Rogers ME, Takeshima N. (2008). Threshold of lower body muscular strength necessary to perform ADL independently in community-dwelling older adults. Clinical Rehabilitation, 22(10-11), 902-910. o    ADL自立に必要な下肢筋力の閾値を具体的に数値化

2.     Rantanen T, Avlund K, Suominen H, et al. (2002). Muscle strength as a predictor of onset of ADL dependence in people aged 75 years. Aging Clinical and Experimental Research, 14(3 Suppl), 10-15. o    筋力低下がADL依存の予測因子であることを実証

3.     Azegami M, Ohira M, Miyoshi K, et al. (2007). Effect of single and multi-joint lower extremity muscle strength on the functional capacity and ADL/IADL status in Japanese community-dwelling older adults. Nursing & Health Sciences, 9(3), 168-176.

上肢筋力とADL

4.     Aadahl M, Beyer N, Linneberg A, Thuesen BH, Jørgensen T. (2011). Grip strength and lower limb extension power in 19-72-year-old Danish men and women: the Health2006 study. BMJ Open, 1(2), e000192.

5.     Bohannon RW. (2019). Grip Strength: An Indispensable Biomarker For Older Adults. Clinical Interventions in Aging, 14, 1681-1691. o    握力がADL障害の予測因子として最も有用であることを示す

6.     Yeung SSY, Reijnierse EM, Trappenburg MC, et al. (2021). Handgrip Strength Cannot Be Assumed a Proxy for Overall Muscle Strength. Journal of the American Medical Directors Association, 22(11), 2360-2365.

体幹筋力とADL

7.     Granacher U, Gollhofer A, Hortobagyi T, Kressig RW, Muehlbauer T. (2013). The importance of trunk muscle strength for balance, functional performance, and fall prevention in seniors: a systematic review. Sports Medicine, 43(7), 627-641.

8.     Shirado O, Ito T, Kikumoto T, et al. (1995). Flexion-relaxation phenomenon in the back muscles. A comparative study between healthy subjects and patients with chronic low back pain. American Journal of Physical Medicine & Rehabilitation, 74(2), 139-144.

総合的レビュー

9.     Schaap LA, Koster A, Visser M. (2013). Adiposity, muscle mass, and muscle strength in relation to functional decline in older persons. Epidemiologic Reviews, 35, 51-65.

10.  Pinheiro MB, Oliveira J, Bauman A, et al. (2020). Evidence on physical activity and the prevention of frailty and sarcopenia among older people: a systematic review to inform the World Health Organization physical activity guidelines. Journal of Physical Activity and Health, 17(12), 1247-1258.

11.  Binder EF, Yarasheski KE, Steger-May K, et al. (2005). Effects of progressive resistance training on body composition in frail older adults: results of a randomized, controlled trial. The Journals of Gerontology Series A: Biological Sciences and Medical Sciences, 60(11), 1425-1431.

12.  Janssen I, Heymsfield SB, Ross R. (2002). Low relative skeletal muscle mass (sarcopenia) in older persons is associated with functional impairment and physical disability. Journal of the American Geriatrics Society, 50(5), 889-896.

これらの研究成果を統合して作成した一覧表は、リハビリテーション計画立案や機能評価の際の参考資料としてご活用いただけます。ただし、個々の患者では年齢、性別、併存疾患、栄養状態などにより閾値が異なる可能性があることにご留意ください。

  

さらに各関節の可動域と筋力が正常でも制御(協調性、バランス)によって制限されるADLの一覧表を作表してください。参考文献も示して

運動制御・協調性・バランスによるADL制限一覧表

 

Scale for Assessment and Rating of Ataxia (SARA)による重症度分類

SARA得点

重症度

ADL障害の程度

具体的状況

0-3

軽度

ほぼ自立、軽度の制限

精密動作でわずかに困難、転倒なし

4-9

-中等度

一部介助、補助具使用

歩行・ADLで軽度介助、転倒リスクあり

10-19

-重度

多くの動作で介助必要

車椅子または歩行器必須、ADL大部分介助

20-40

最重度

ほぼ全介助

座位保持困難、ADL全介助、経管栄養も

International Cooperative Ataxia Rating Scale (ICARS)

機能領域

評価項目

ADL制限の内容

姿勢・歩行障害(0-34)

立位、歩行、片脚立位

移動動作全般の制限

四肢協調性(0-52)

指鼻、膝踵、回内回外

上下肢の巧緻動作制限

構音障害(0-8)

発話流暢性、明瞭度

コミュニケーション障害

眼球運動障害(0-6)

注視、滑動性追従

視覚的ADLの制限

 

 

6. 発達性協調運動障害(DCD)における影響

領域

評価

影響を受けるADL

小児での具体例

巧緻運動

Movement ABC <5 percentile

書字、描画、工作

文字が枠からはみ出る、はさみ使用困難

ボディイメージ

姿勢模倣困難

着衣、身だしなみ

服の前後が分からない、ボタンかけ困難

視覚-運動統合

VMI低下

ボール遊び、キャッチ

ボールを取れない、投げる方向が不正確

両側協調

両手動作拙劣

結ぶ、開ける動作

靴紐結び、容器開封困難

運動企画

Praxis障害

新規動作学習

新しい遊びやスポーツの習得困難

7. 認知-運動統合障害によるADL制限

障害の種類

特徴

制限されるADL

リハビリテーション上の留意点

運動企画障害<br>(Apraxia)

動作手順の障害

複雑なADL動作

段階的指導、視覚的手がかり使用

注意障害合併

注意散漫

調理、家事全般

環境調整、シンプルな課題設定

実行機能障害合併

順序立て困難

計画的なIADL

外的支援(チェックリスト等)必要

半側空間無視合併

一側への注意欠如

着衣、移動

視覚走査訓練、環境配置工夫

重要な臨床的考察

可動域・筋力正常でも制限される理由

  1. 運動制御は単なる筋出力以上のもの
  2. 感覚情報なしでは運動制御不可能
  3. 小脳は運動の「品質管理」装置
  4. バランスは全ADLの基盤

リハビリテーションの原則

  1. 課題特異的訓練: 実際のADL動作を用いた訓練
  2. 感覚統合訓練: 多感覚情報の統合促進
  3. 段階的難易度設定: 成功体験の積み重ね
  4. 代償戦略の獲得: 視覚・認知的代償手段
  5. 環境調整: 安全で実行しやすい環境整備
  6. 反復と多様性: 運動学習の促進

予後予測因子

良好な予後を示唆:

不良な予後を示唆:

測定ツール一覧

バランス評価

失調評価

固有感覚評価

協調性評価

ADL評価

 

 検索した研究データに基づいて、運動制御・協調性・バランスによるADL制限の一覧表

運動制御・協調性・バランス障害とADL制限の関係一覧表

 

持久力・疲労・呼吸困難によるADL制限一覧表

重要: 本表は、筋力・関節可動域・協調性が正常範囲でも、持久力低下・疲労・呼吸困難により活動の持続時間が問題となってADLが制限される状況を示しています。

1. 呼吸困難(息切れ)によるADL制限

1.1 COPD(慢性閉塞性肺疾患)における制限

MRC息切れスケール

呼吸困難の程度

制限されるADL

活動持続時間の問題

ADL遂行の特徴

Grade 1

激しい運動時のみ

激しい運動、重労働

通常ADLは支障なし

息切れなく遂行可能

Grade 2

平地急ぎ足、坂道

急いで歩く、階段昇降

速度調整で可能

ゆっくりなら可能

Grade 3

平地でも息切れ

平地歩行100m以下で休憩必要

5-10分毎に休憩

頻回休憩で遂行

入浴、着衣

動作を分割して実施

座位休憩挟む

買い物、調理

30分以上困難

短時間分割実施

Grade 4

着替えでも息切れ

更衣、トイレ、入浴

各動作2-5分で休憩

全動作で休憩必要

食事準備

立位5分以上困難

座位で実施必要

洗面、整容

腕を挙げる動作で息切れ

頻回休憩、座位実施

Grade 5

安静時も息切れ

ほぼ全ADL

持続1-2分が限界

ほぼ全介助必要

外出不可

外出不能

在宅療養

1.2 ADL別の酸素消費と呼吸困難

ADL活動

METs

ピーク運動能の使用%

Borg息切れスコア

活動持続可能時間

更衣動作

2-3

COPD重症:50-70%

3-5/10

連続5-10

靴下着用

2.5

同上

4-6/10

1-2分で休憩

食器洗い

2-3

40-60%

2-4/10

連続10-15

タオル畳み

2

30-50%

2-3/10

連続15-20

掃除()

3-4

60-80%

5-7/10

連続5-10

食料品整理

2.5-3

50-70%

4-6/10

連続5-8

1.3 機能的活動制限のパターン

病期

GOLD分類

6分間歩行距離

ADL制限パターン

生活空間の制限

軽度

I-II

>350m

激しい活動のみ制限

外出・社会活動可能

中等度

II-III

250-350m

家事・買い物に制限

近隣のみ外出可能

重度

III-IV

150-250m

基本的ADLに制限

屋内生活が中心

最重度

IV

<150m

ほぼ全ADL困難

ベッド・椅子中心生活

2. 慢性疲労・疲労感によるADL制限

2.1 心不全における疲労とADL制限

NYHA分類

疲労・息切れの程度

制限されるADL

活動持続時間

機能的制限

Class I

通常活動で制限なし

制限なし

正常

ADL自立

Class II

通常活動で軽度制限

重労働、長距離歩行

1時間以上で疲労

軽作業は可能

Class III

軽労作で著明制限

家事、入浴、更衣

15-30分で疲労

ADL要介助

Class IV

安静時も症状あり

ほぼ全ADL

5-10分で疲労

ベッド上生活

2.2 Glittre ADL-test(機能的ADL評価)

対象疾患

テスト完了時間

重症度分類

ADL自立度

介入の必要性

COPD軽度

<3

機能良好

完全自立

リハ維持的

COPD中等度

3-5

機能低下

ほぼ自立

リハ推奨

COPD重度

5-7

機能障害

部分介助

リハ必須

COPD最重度

>7分または不能

重度障害

大部分介助

包括的介入

心不全重症

>5.45

予後不良

大幅制限

集中的介入

3. 労作後消耗(PEM: Post-Exertional Malaise)によるADL制限

3.1 ME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)の特徴

PEMの特徴

発現パターン

制限されるADL

持続時間

回復パターン

身体的トリガー

活動後24時間以内

歩行、家事、買い物

数日〜数週間

完全休息必要

認知的トリガー

集中作業後即時〜遅延

読書、会話、PC作業

数時間〜数日

刺激遮断必要

日常ADLトリガー

通常動作でも誘発

シャワー、着替え、調理

2-3

ベッド安静必要

感覚トリガー

光・音刺激

外出、買い物、社交

即日〜数日

静かな環境必要

体位変換

立位・座位保持

立位作業全般

数時間〜2

臥床休息必要

3.2 PEMADL影響度

活動レベル

エネルギー封筒内

エネルギー封筒超過

PEM症状

ADL遂行能力

最小限活動

セルフケアのみ

軽い家事

全身倦怠感、認知霧

基本ADLのみ可能

軽活動

短時間外出可

買い物、受診

重度疲労、筋肉痛

ADL2-3日困難

中等度活動

不可能

社交、軽運動

症状全面悪化

ADL 1-2週間困難

過剰活動

不可能

旅行、イベント

クラッシュ状態

ADL数週〜数ヶ月困難

3.3 DePaul PEM Questionnaire主要症状

症状カテゴリー

代表的症状

ADLへの影響

発現頻度

対処方法

疲労症状

死んだような疲労、動けない

ADL遂行不能

>90%

完全休息

認知症状

ブレインフォグ、思考困難

判断・計画要するADL困難

>85%

認知負荷回避

神経筋症状

筋力低下、筋肉痛、脱力

労作的ADL困難

>80%

最小限活動

睡眠障害

不眠、過眠、回復しない睡眠

日中ADL遂行困難

>80%

睡眠環境整備

自律神経症状

起立不耐症、頻脈

立位作業困難

>70%

座位・臥位作業

免疫症状

リンパ節腫脹、咽頭痛

全身症状でADL困難

>60%

免疫負荷回避

神経感覚症状

光・音・化学物質過敏

外出・社交困難

>65%

環境調整

4. 複合的な持久力障害によるADL制限

4.1 エネルギー代謝不全のパターン

病態

主要メカニズム

制限される活動タイプ

特徴的な制限パターン

動的肺過膨張(COPD)

換気制限、呼吸筋負荷

上肢作業、歩行

息切れで即座に中断

心拍出量制限(心不全)

末梢酸素供給不足

全身持久力要する活動

疲労蓄積で徐々に困難

ミトコンドリア機能不全(ME/CFS)

ATP産生障害

あらゆる活動

遅延性・遷延性悪化

筋代謝異常(筋疾患)

嫌気性代謝亢進

筋力持続要する活動

筋疲労、筋痛、痙攣

自律神経障害

血圧・心拍調節不全

立位保持、体位変換

めまい、易疲労性

4.2 ADL遂行パターンの比較

疾患群

ADL開始時

ADL実施中

ADL直後

ADL数時間〜数日後

COPD

息切れ予期

息切れ増強

著明な息切れ

徐々に回復

心不全

軽度倦怠感

疲労蓄積

著明疲労

数時間で回復

ME/CFS

不安(PEM懸念)

症状軽度

軽度症状

遅延性重度症状

筋疾患

正常

筋疲労蓄積

筋疲労・脱力

筋痛、回復遅延

5. 活動時間制限の定量的評価

5.1 連続活動可能時間の目安

ADL

健常者

軽度障害

中等度障害

重度障害

立位作業

>60

30-60

10-30

<10

歩行

>30

15-30

5-15

<5

上肢作業

>45

20-45

10-20

<10

座位作業

>120

60-120

30-60

<30

階段昇降

連続可能

1階分可能

数段毎休憩

不可能

5.2 1日の活動総量制限

機能レベル

立位時間/

歩数/

IADL可能時間

生活パターン

正常

>8時間

>7,000

制限なし

自立生活

軽度制限

4-8時間

4,000-7,000

2-4時間

ほぼ自立

中等度制限

2-4時間

2,000-4,000

1-2時間

部分介助必要

重度制限

<2時間

<2,000

<1時間

大部分介助

最重度制限

ほぼ臥床

屋内のみ

ほぼ不可

全介助

6. ペーシングとエネルギー保存戦略

6.1 エネルギーエンベロープ理論(ME/CFS)

概念

定義

ADL管理方法

目標

知覚エネルギー

その日使用可能と感じるエネルギー

活動量を知覚エネルギー内に

PEM予防

消費エネルギー

実際に使ったエネルギー

消費<知覚を維持

症状安定

エネルギー封筒

両者の差

封筒内で生活

緩徐な改善

オーバーシュート

限界超過

避けるべき

クラッシュ防止

6.2 ペーシング技法

技法

内容

適用場面

効果

活動分割

ADLを小単位に分解

ADL

持続可能性向上

計画的休憩

疲労前に休憩挿入

長時間活動

疲労蓄積防止

エネルギー節約

省エネ道具・方法使用

日常ADL

総消費量削減

優先順位付け

必須活動に集中

エネルギー不足時

重要ADL確保

心拍モニタリング

安静時+15bpm以内

ME/CFS患者

PEM予防

症状日誌

活動とPEMの関連記録

ME/CFS患者

パターン把握

7. 評価ツールと臨床指標

7.1 呼吸困難評価

·         Modified Medical Research Council (mMRC) Dyspnea Scale: 0-4段階

·         Borg Scale: 0-10(呼吸困難度)

·         London Chest Activity of Daily Living (LCADL) scale: ADL特異的評価

7.2 機能的運動能力評価

·         6-Minute Walk Distance (6MWD): <350m で重度制限

·         Incremental Shuttle Walk Test (ISWT): 最大運動能力

·         Glittre ADL-test: ADL模擬テスト

7.3 疲労・PEM評価

·         DePaul Post-Exertional Malaise Questionnaire (DPEMQ): PEM包括評価

·         Chalder Fatigue Scale: 疲労の身体的・精神的側面

·         PEM症状タイムコース: 発現・ピーク・持続の記録

主要参考文献

COPD・呼吸困難とADL

1.     Mahler DA, O'Donnell DE. (2015). Recent advances in dyspnea. Chest, 147(1), 232-241.

2.     Vaes AW, Garcia-Aymerich J, Marott JL, et al. (2014). Changes in physical activity and all-cause mortality in COPD. European Respiratory Journal, 44(5), 1199-1209.

3.     Pitta F, Troosters T, Probst VS, Spruit MA, Decramer M, Gosselink R. (2006). Physical activity and hospitalization for exacerbation of COPD. Chest, 129(3), 536-544.

4.     Skumlien S, Hagelund T, Bjørtuft O, Ryg MS. (2006). A field test of functional status as performance of activities of daily living in COPD patients. Respiratory Medicine, 100(2), 316-323.

5.     Moreira GL, Pitta F, Ramos D, et al. (2020). Exercise Capacity and Activities of Daily Living are Related in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Archivos de Bronconeumología, 56(3), 143-149.

心不全・疲労とADL

6.     Fini M, Brandi V, Bernini A, et al. (2024). Glittre-ADL test to assess functional capacity in patients with heart failure and reduced ejection fraction. Arquivos Brasileiros de Cardiologia, 121(11), e20240134.

7.     Piepoli MF, Hoes AW, Agewall S, et al. (2016). European Guidelines on cardiovascular disease prevention in clinical practice. European Heart Journal, 37(29), 2315-2381.

ME/CFS・労作後消耗(PEM)

8.     Stussman B, Williams A, Snow J, et al. (2020). Characterization of Post-exertional Malaise in Patients With Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome. Frontiers in Neurology, 11, 1025.

9.     Jason LA, Holtzman CS, Sunnquist M, Cotler J. (2019). The development of an instrument to assess post-exertional malaise in patients with myalgic encephalomyelitis and chronic fatigue syndrome. Journal of Health Psychology, 24(6), 688-698.

10.  Hodges L, Nielsen T, Cochrane D, Baken D. (2020). The physiological timeline of post-exertional malaise in Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS). Translational Sports Medicine, 3(3), 243-249.

11.  Lim EJ, Kang EB, Jang ES, Son CG. (2020). The prospects of the two-day cardiopulmonary exercise test (CPET) in ME/CFS patients: A meta-analysis. Journal of Clinical Medicine, 9(12), 4040.

12.  Jason LA, Brown M, Brown A, et al. (2013). Energy conservation/envelope theory interventions to help patients with myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome. Fatigue: Biomedicine, Health & Behavior, 1(1-2), 27-42.

エネルギー保存・ペーシング

13.  Carruthers BM, Jain AK, De Meirleir KL, et al. (2011). Myalgic encephalomyelitis: International Consensus Criteria. Journal of Internal Medicine, 270(4), 327-338.

14.  Davenport TE, Stevens SR, VanNess MJ, Snell CR, Little T. (2011). Conceptual model for physical therapist management of chronic fatigue syndrome/myalgic encephalomyelitis. Physical Therapy, 91(12), 1755-1753.

機能的評価法

15.  Annegarn J, Meijer K, Passos VL, et al. (2012). Problematic activities of daily living are weakly associated with clinical characteristics in COPD. Journal of the American Medical Directors Association, 13(3), 284-290.

16.  Garrod R, Bestall JC, Paul EA, Wedzicha JA, Jones PW. (2000). Development and validation of a standardized measure of activity of daily living in patients with severe COPD: the London Chest Activity of Daily Living scale (LCADL). Respiratory Medicine, 94(6), 589-596.

この一覧表は、慢性疾患における持久力低下、易疲労性、呼吸困難が主要な問題となる患者のADL評価と介入計画に活用できます。特にCOPD、心不全、ME/CFSなどの患者管理に有用です。

 

7.4 QOL・機能状態評価

·         St. George's Respiratory Questionnaire (SGRQ): COPD特異的QOL

·         Chronic Respiratory Disease Questionnaire (CRQ): 息切れ・疲労含む

·         SF-36 Physical Function: 一般的身体機能

8. リハビリテーション・介入の原則

8.1 COPDの呼吸リハビリテーション

·         呼吸訓練: 口すぼめ呼吸、横隔膜呼吸

·         運動療法: 漸増的持久力訓練

·         エネルギー保存技法: ADL効率化指導

·         酸素療法: 活動時補助

8.2 心不全の心臓リハビリテーション

·         段階的運動療法: 心拍・症状モニター下

·         日常生活指導: 疲労マネジメント

·         セルフモニタリング: 体重・症状記録

8.3 ME/CFSのペーシング指導

·         エネルギーエンベロープ教育: 限界内活動

·         心拍ペーシング: HRモニター使用

·         認知行動技法: プッシュ・クラッシュサイクル回避

·         環境調整: 刺激最小化

8.4 共通の介入戦略

1.     活動修正: 座位・臥位での実施

2.     補助具使用: 車椅子、歩行器、リーチャー

3.     環境整備: 動線短縮、物品配置最適化

4.     段階的目標設定: 現実的な進行計画

5.     多職種連携: 包括的支援体制

重要な臨床的考察

なぜ筋力・可動域が正常でも制限されるか

1.     エネルギー代謝の問題: ATP産生・利用の障害

2.     酸素運搬・利用の問題: 心肺機能の制限

3.     中枢性疲労: 神経系の活動制御異常

4.     回復機構の障害: 特にME/CFSでの遅延回復

予後因子

改善を示唆:

·         早期介入開始

·         ペーシング遵守

·         適切な運動療法

·         症状マネジメント良好

難治性を示唆:

·         進行性疾患(COPD、心不全)

·         重度PEM(ME/CFS)

·         多臓器障害

·         社会的支援不足

 

ドキュメント 

# 運動制御・協調性・バランス障害とADL制限の関係一覧表 **注意**: 本表は、関節可動域と筋力が正常範囲であっても、運動制御・協調性・バランスの障害によってADLが制限される状況を示しています。 ## 1. バランス障害によるADL制限 | 障害の種類 | 評価方法 | 制限されるADL | 具体的な困難 | 原因・メカニズム | |----------|---------|------------|------------|--------------| | **静的バランス障害*

運動制御・協調性・バランス障害とADL制限の関係を示す一覧表を作成しました。以下に主要な参考文献を示します:

主要参考文献

バランスとADL

1.     Dunsky A, Abu-Rukun M, Tsuk S, et al. (2019). The Effect of Balance and Coordination Exercises on Quality of Life in Older Adults: A Mini-Review. Frontiers in Aging Neuroscience, 11, 318.

2.     Lord SR, Menz HB, Tiedemann A. (2003). A physiological profile approach to falls risk assessment and prevention. Physical Therapy, 83(3), 237-252.

3.     Rubenstein LZ. (2006). Falls in older people: epidemiology, risk factors and strategies for prevention. Age and Ageing, 35(Suppl 2), ii37-ii41.

小脳性失調とADL

4.     Schmitz-Hübsch T, du Montcel ST, Baliko L, et al. (2006). Scale for the assessment and rating of ataxia: development of a new clinical scale. Neurology, 66(11), 1717-1720.

5.     Miyai I, Ito M, Hattori N, et al. (2012). Cerebellar ataxia rehabilitation trial in degenerative cerebellar diseases. Neurorehabilitation and Neural Repair, 26(5), 515-522.

6.     Trouillas P, Takayanagi T, Hallett M, et al. (1997). International Cooperative Ataxia Rating Scale for pharmacological assessment of the cerebellar syndrome. Journal of the Neurological Sciences, 145(2), 205-211.

7.     Ilg W, Synofzik M, Brötz D, Burkard S, Giese MA, Schöls L. (2009). Intensive coordinative training improves motor performance in degenerative cerebellar disease. Neurology, 73(22), 1823-1830.

8.     de Oliveira CEN, Salina ME, Annunciato NF. (2018). Rehabilitation in patients with cerebellar ataxias. Arquivos de Neuro-Psiquiatria, 76(11), 758-764.

固有感覚障害とADL

9.     Meyer S, Karttunen AH, Thijs V, Feys H, Verheyden G. (2014). How do somatosensory deficits in the arm and hand relate to upper limb impairment, activity, and participation problems after stroke? A systematic review. Physical Therapy, 94(9), 1220-1231.

10.  Connell LA, Lincoln NB, Radford KA. (2008). Somatosensory impairment after stroke: frequency of different deficits and their recovery. Clinical Rehabilitation, 22(8), 758-767.

11.  Tyson SF, Hanley M, Chillala J, Selley AB, Tallis RC. (2008). Sensory loss in hospital-admitted people with stroke: characteristics, associated factors, and relationship with function. Neurorehabilitation and Neural Repair, 22(2), 166-172.

12.  Ingemanson ML, Rowe JR, Chan V, et al. (2019). Use of a robotic device to measure age-related decline in finger proprioception. Experimental Brain Research, 237(11), 3017-3027.

13.  Aman JE, Elangovan N, Yeh IL, Konczak J. (2015). The effectiveness of proprioceptive training for improving motor function: a systematic review. Frontiers in Human Neuroscience, 8, 1075.

協調性障害・発達性協調運動障害

14.  Wilson PH, Smits-Engelsman B, Caeyenberghs K, et al. (2017). Cognitive and neuroimaging findings in developmental coordination disorder: new insights from a systematic review of recent research. Developmental Medicine & Child Neurology, 59(11), 1117-1129.

15.  Blank R, Barnett AL, Cairney J, et al. (2019). International clinical practice recommendations on the definition, diagnosis, assessment, intervention, and psychosocial aspects of developmental coordination disorder. Developmental Medicine & Child Neurology, 61(3), 242-285.

16.  Smits-Engelsman B, Vinçon S, Blank R, Quadrado VH, Polatajko H, Wilson PH. (2018). Evaluating the evidence for motor-based interventions in developmental coordination disorder: A systematic review and meta-analysis. Research in Developmental Disabilities, 74, 72-102.

感覚-運動統合

17.  Byl N, Roderick J, Mohamed O, et al. (2003). Effectiveness of sensory and motor rehabilitation of the upper limb following the principles of neuroplasticity: patients stable poststroke. Neurorehabilitation and Neural Repair, 17(3), 176-191.

18.  Doyle S, Bennett S, Fasoli SE, McKenna KT. (2010). Interventions for sensory impairment in the upper limb after stroke. Cochrane Database of Systematic Reviews, (6), CD006331.

19.  Schabrun SM, Hillier S. (2009). Evidence for the retraining of sensation after stroke: a systematic review. Clinical Rehabilitation, 23(1), 27-39.

統合的アプローチ

20.  Smania N, Picelli A, Gandolfi M, Fiaschi A, Tinazzi M. (2008). Rehabilitation of sensorimotor integration deficits in balance impairment of patients with stroke hemiparesis: a before/after pilot study. Neurological Sciences, 29(5), 313-319.

21.  Carey LM. (1995). Somatosensory loss after stroke. Critical Reviews in Physical and Rehabilitation Medicine, 7(1), 51-91.

22.  Schmahmann JD, Sherman JC. (1998). The cerebellar cognitive affective syndrome. Brain, 121(4), 561-579.

23.  Schmahmann JD. (2004). Disorders of the cerebellum: ataxia, dysmetria of thought, and the cerebellar cognitive affective syndrome. The Journal of Neuropsychiatry and Clinical Neurosciences, 16(3), 367-378.

この一覧表は、臨床現場でROM・筋力が保たれているにもかかわらずADLが困難な患者の評価と介入計画立案に役立ちます。特に神経疾患、脳卒中後遺症、小脳疾患、発達性協調運動障害などの患者に適用可能です。

持久力・疲労・呼吸困難によるADL制限一覧表

---------------|----

持久力・疲労・呼吸困難によるADL制限の一覧表を作成しました。以下に主要な参考文献を示します:

主要参考文献

COPD・呼吸困難とADL

1.     Mahler DA, O'Donnell DE. (2015). Recent advances in dyspnea. Chest, 147(1), 232-241.

2.     Vaes AW, Garcia-Aymerich J, Marott JL, et al. (2014). Changes in physical activity and all-cause mortality in COPD. European Respiratory Journal, 44(5), 1199-1209.

3.     Pitta F, Troosters T, Probst VS, Spruit MA, Decramer M, Gosselink R. (2006). Physical activity and hospitalization for exacerbation of COPD. Chest, 129(3), 536-544.

4.     Skumlien S, Hagelund T, Bjørtuft O, Ryg MS. (2006). A field test of functional status as performance of activities of daily living in COPD patients. Respiratory Medicine, 100(2), 316-323.

5.     Moreira GL, Pitta F, Ramos D, et al. (2020). Exercise Capacity and Activities of Daily Living are Related in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Archivos de Bronconeumología, 56(3), 143-149.

心不全・疲労とADL

6.     Fini M, Brandi V, Bernini A, et al. (2024). Glittre-ADL test to assess functional capacity in patients with heart failure and reduced ejection fraction. Arquivos Brasileiros de Cardiologia, 121(11), e20240134.

7.     Piepoli MF, Hoes AW, Agewall S, et al. (2016). European Guidelines on cardiovascular disease prevention in clinical practice. European Heart Journal, 37(29), 2315-2381.

ME/CFS・労作後消耗(PEM)

8.     Stussman B, Williams A, Snow J, et al. (2020). Characterization of Post-exertional Malaise in Patients With Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome. Frontiers in Neurology, 11, 1025.

9.     Jason LA, Holtzman CS, Sunnquist M, Cotler J. (2019). The development of an instrument to assess post-exertional malaise in patients with myalgic encephalomyelitis and chronic fatigue syndrome. Journal of Health Psychology, 24(6), 688-698.

10.  Hodges L, Nielsen T, Cochrane D, Baken D. (2020). The physiological timeline of post-exertional malaise in Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS). Translational Sports Medicine, 3(3), 243-249.

11.  Lim EJ, Kang EB, Jang ES, Son CG. (2020). The prospects of the two-day cardiopulmonary exercise test (CPET) in ME/CFS patients: A meta-analysis. Journal of Clinical Medicine, 9(12), 4040.

12.  Jason LA, Brown M, Brown A, et al. (2013). Energy conservation/envelope theory interventions to help patients with myalgic encephalomyelitis/chronic fatigue syndrome. Fatigue: Biomedicine, Health & Behavior, 1(1-2), 27-42.

エネルギー保存・ペーシング

13.  Carruthers BM, Jain AK, De Meirleir KL, et al. (2011). Myalgic encephalomyelitis: International Consensus Criteria. Journal of Internal Medicine, 270(4), 327-338.

14.  Davenport TE, Stevens SR, VanNess MJ, Snell CR, Little T. (2011). Conceptual model for physical therapist management of chronic fatigue syndrome/myalgic encephalomyelitis. Physical Therapy, 91(12), 1755-1753.

機能的評価法

15.  Annegarn J, Meijer K, Passos VL, et al. (2012). Problematic activities of daily living are weakly associated with clinical characteristics in COPD. Journal of the American Medical Directors Association, 13(3), 284-290.

16.  Garrod R, Bestall JC, Paul EA, Wedzicha JA, Jones PW. (2000). Development and validation of a standardized measure of activity of daily living in patients with severe COPD: the London Chest Activity of Daily Living scale (LCADL). Respiratory Medicine, 94(6), 589-596.

この一覧表は、慢性疾患における持久力低下、易疲労性、呼吸困難が主要な問題となる患者のADL評価と介入計画に活用できます。特にCOPD、心不全、ME/CFSなどの患者管理に有用で

 

 

2部 身体活動学に基づく公衆衛生(健康管理・産業保健)に関するADL制限と対策

 

繰り返し動作による筋骨格系障害のADL制限一覧

1.     障害と関連する解剖学的構造(関節・筋肉・靭帯)の詳細

2.     定量的評価検査法の一覧

3.     産業保健作業負荷評価法(反復動作・リーチ・重量物)

4.     病態運動・病態身体活動モデルの統合評価表

5.     加齢性感覚・認知機能低下によるADL制限(年代別)

6.     整形外科・神経疾患のADL制限と治療可能性・対策

7.     全身性消耗性疾患のADL制限と対策

8.     労作性筋骨格系疾患の好発部位図(SVG