生存分析 解釈編


JASP設定の読み方

調整の具体例

調整なしの場合:

新薬群の生存率が高い
→ でも新薬群の患者が若くて早期だったら?
→ 薬の効果なのか、患者背景の違いなのか分からない

調整ありの場合:

年齢と病期を調整したCOX回帰
→ 同じ年齢・同じ病期の患者で比較
→ 純粋な薬の効果が分かる

結果の解釈

COX回帰の結果表では:

変数
ハザード比
意味
治療群
0.50
他の要因を調整した上で、新薬は従来薬より50%リスク減少
年齢
1.03
治療法と病期を調整した上で、1歳増加で3%リスク増加
病期
4.00
治療法と年齢を調整した上で、進行期は早期より4倍リスク増加

✅ なぜ調整が重要?

例:混乱を避けるため

→ 調整なしだと薬効なのか患者背景の違いなのか判断できない

調整することで: 「同じ条件の患者で比較したら、新薬の方が優れている」と言える

この表は比例ハザード仮定の検定結果です。COX回帰分析で重要な前提条件をチェックしています。

比例ハザード仮定とは?

仮定の内容:

検定結果の読み方

変数
カイ二乗値
p値
判定
治療群
3.65
0.06
✅ 仮定成立
年齢
4.98
0.03
⚠️ 仮定違反
病期
1.83×10⁻⁶
1.00
✅ 仮定成立
Global
6.14
0.10
✅ 全体的に成立

判定基準

p > 0.05: 比例ハザード仮定が成立 ✅ p < 0.05: 比例ハザード仮定が破られている ⚠️

⚠️ 年齢で仮定違反!

年齢のp = 0.03 < 0.05

対処法

1. 軽微な違反(年齢のみ)の場合:

2. 重大な違反がある場合の対処:

✅ 今回の結論

Global test p = 0.10 > 0.05 → 全体的には比例ハザード仮定は成立 → COX回帰の結果は信頼できる

年齢の軽微な違反はあるが、治療効果(主要な関心事)は問題なく評価できています!

これらは比例ハザード仮定検定のプロットです。先ほどの表の結果を視覚的に表現しています。

プロットの読み方

Y軸(Beta(t)): 時間依存ベータ係数 X軸(Time): 時間(月) 黒線: 推定値 グレー帯: 95%信頼区間 水平線(0): 比例ハザード仮定が成立する基準線

各変数の解析

1️⃣ 治療群

特徴:

解釈: 治療効果が時間とともに若干変化している可能性があるが、統計的には許容範囲

2️⃣ 年齢

特徴:

解釈: 年齢の効果が時間とともに減少している(初期は年齢の影響大、後期は影響小)

3️⃣ 病期

特徴:

解釈: 病期の効果は時間を通じて一定

✅ 実践的な判断

問題のレベル:

結論: Global test(p = 0.10)が有意でないので、全体的にはCOX回帰の結果は信頼できます!

年齢の効果が時間とともに変化していることは興味深い発見で、「若い患者ほど初期の予後は良いが、時間が経つと年齢差が縮まる」ことを示唆しています。