失明者に対人近接情報を与えるための電流印加時の心因性発汗量を生体インピーダンスの数値化により定量化することにより、視覚障害者が不連続な短い打点が連なって判読不能となる衝動現象のメカニズムを解明するために発汗吸収素材を用いた電極とその機能がない電極を用いて、通電信号情報に依存する対人接近状況を認識させる実験を行いました。
参加者には、日本国内の郊外に住む失明者7名を得た。低周波電流対人距離認識システムを利用し、2mまたは1mの距離に出現してから5秒以内に人体を認識できた場合、危険回避に成功した(成功)とみなすことを説明し、その時間内に判断するように課題を課したストレス負荷あり条件と、その制限のない条件毎に、試行を繰り返し実施した。実験計画に従ってランダムな順序で実験を行いました。
アウトカムには、1m、または 5 秒以内に人の不在を認識できたかどうか、その人が反応するまでに経過した時間を設定し、また、危険回避の失敗(以下、失敗)とも設定しました。
結果:実験の前後にバイオインピーダンスを測定し、成功率との有意な関連性を認めた。追加実験条件に、吸湿性材料のない電極を使用した場合、対人距離を迅速に決定するための指示が追加されました。
この場合、いわゆるドライブ現象が発生を確認しましたが、試行回数が少ないため定性的な確認にとどまりました。
回避の成功と失敗時のインピーダンスの平均値は、成功で -2.4 Ω、失敗で -0.4 Ω でした。
結論、生体インピーダンスの変化はドライブ現象を顕在化するために有用な所見を示す指標と考えらた。この指標は錯覚現象を分析する生理心理学的な手法を用いることで、その本体の機序解明に寄与する可能性がある可能性があるものと考えられます
。
さらに、今年度、晴眼者における視覚遮断下での通電信号処理との対比による分析を加えて進めます。
この知見の一部はJapanese Journal of Public Health Physical Therapy.8(2).6-11.2022.にて公開されています。
科研助成による 2021-2023年度 研究公開
研究課題 21K02712